どうも管理人の963Kumaです
今回のテーマは、「得する生活 お金持ちになる人の考え方」です
2003年11月30日発行 著者橘玲さん
お金のヒミツと世の中のカラクリ知っているか否かで、人生は決まる
すべては経済合理的に考えよ!『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』『マネーロンダリング』
の橘玲がすぐに使える金銭哲学を伝授
(Google Books引用)
「得する生活 お金持ちになる人の考え方」は、お金持ちになれる人の考え方を紹介し、豊かになろうというコンセプトで書かれている
その内容は単に「こうやったらお金が儲かるよ」という浅い話ではなくて、そもそも貨幣とは何なのかというところから話が始まっていてとても面白い本
「神様と貨幣はよく似ているお金と神様は同じであり、宗教である。私たちは皆貨幣経済という奇妙な宗教の国に生まれただから、私たちがこの世で生きていくためには好むと好まざるとにかかわらずこの奇妙な宗教の信者になるかない。」
本書はこのような話から始まりまる
貨幣が価値を持つのは誰もがそれを貨幣と信じて疑わないから
1万円札に価値があるのはそれが高価な紙で作られているわけでも1万円札作るのに1万円かかるわけでもなく、単に私たちが福沢諭吉の似顔絵が書かれた紙切れに1万円の価値があると、奇妙な宗教を信じているから
ただの紙切れに価値があるという
極端にいえば、貨幣は、石ころとか貝殻でも構いはず
銀行の預金通帳に打ち出された電子データが貨幣だと信じられいる
貨幣の材質ではなくて、実体のないものに価値を認め拝んでいるという信仰心
貨幣経済とは貨幣を神様と崇める宗教
神の形をこの目で見ることができないのと同様に、貨幣の実在を客観的に証明することもできない
理屈の上では1万円札は日本国の資産を担保に発行されている
かつて貨幣の担保として中央銀行は金を保有していたんですが、現在の担保は日本国債
国債というのは国家の借用証書でそれを持っていくと貨幣と交換してくれる
貨幣は国債によって担保され、国際は貨幣で担保されている
これは、新興宗教の教祖が「私が神であることは神である私が知っている」と述べているのと同じ理屈
何の根拠もないのですが信じるのはその人の勝手
貨幣を神とするなら貨幣経済は唯1の世界宗教
キリスト教だろうが、イスラム教徒だろうか、仏教とも貨幣を神と崇める世界宗教から自由になることはできない
私達がこの世で生きていくためには好むと好まざるとにかかわらず、この奇妙な宗教の信者になる他にない
日本人が日本国を信用しなくなると日本円という貨幣の価値が低下する
日本の神を海外の最も魅力的な神に交換したいと考えるから
国民が紙切れは所詮紙切れに過ぎない、と気付いた時に貨幣制度は崩壊する
幻想が剥がれてしまえば1万円札もただのゴミと変わる
貨幣制度というのは共同幻想によって支えられている
貨幣にとらわれているのは夢や幻にとらわれるのと同じ
人が1匹の動物として生まれ、成長し、老い、死んでいく自然を前にして貨幣の多寡に何ほどの価値もないし、意味もない
一方で私たちの人生が夢や幻によって作られていることも否定できない
人間は幻想から現実を創造する生き物だから
貨幣経済の下では貨幣という幻想を拒絶して生きていくことはできない
カールマルクスは「人間は社会的存在である」と説いている
マルティンハイデガーは「実存は世界内存在である」とも説いている
社会や世界は幻想でしかない
でも私たちはそこでしか生きられない
だからこそ貨幣経済という奇妙な宗教の国で上手に立ち振る舞うことのできる知恵が必要となっていく
『貧乏人は心が美しく、金持ちは性格が悪く、ずる賢く悪い奴しかいない』
世間の一般的にこのような印象が根付いてる
実はこちらは間違っている
あらゆる社会調査によれば、成功者ほど他人を信頼し、貧乏人ほど疑い深く、猜疑心が強いという傾向が顕著に現れている
同じより高学歴者ほど他人への信頼度が高く、学歴が低くなるにつれて他人を疑いやすくなるということが分かっている
僕らの思い込みに反して学問は時にこのような残酷な真実を告げる
人を見たら泥棒だと思え、と常に人を疑うことは閉鎖的な村社会においては、正しい行動
閉じられた共同体の中で一生を終える村社会においては、異物を効率的に排除することで安定した社会が実現できる
現代のような開放的な市場経済では人を見たら泥棒だと思えという村社会の掟は経済的に不合理な行動となる
なぜならば人を疑う傾向にある人は仲間内でしか商売できない
共同体の外部で経済的な関係を築くことができない
これではいつまでたってもビジネスチャンスを獲得できない
変化の激しい社会に適応するのは無理
他人に騙されないようにするためのコストが大きすぎる
そこで高い知性の持ち主はもっと効率的な戦略を考える
彼らは一定の条件を設定し、それをクリアした人をとりあえず信頼する
もちろん詐欺師や嘘つきは世の中にいる
相手が信頼に値しないと分かったらその時点で切り捨てれば良い
騙されることによる損失は避けられない
そのデメリットを上回るほどのメリットが得られる
『人間関係とビジネスチャンス』
人は誰でも騙されたくないとは思う
騙されるということは成功に必要なコストの一部
騙されないように全員を疑って仲間内だけでしか商売しなければ売り上げも立ない
今後、世界を相手に物を売らなければならない、自分達の村社会から出てグローバルな世界で経済活動を行わなければならない
教育を受けることのメリットはとは?人的資本の蓄積
人的資本とは働いてお金を稼ぐ力のこと
教育を受けて知識や技術を獲得すればそれが労働生産性を高めて将来の賃金を上昇させる
コンビニの店員よりも医者や弁護士、プログラマーの方が給料が高いのは彼らがより大きなお金を稼ぐ力、すなわち人的資本を持っているから
この人的資本は教育によって獲得されいる
アメリカでは大学教育の投資効果がしっかりと調べられている
高卒で社会に出た場合と、大卒資格者の生涯収入の差を教育費用と比較した場合、その投資効果は年率10%を超えるとされている
アメリカの大学生が借金をしてでも高等教育を受けたがるのはそれが将来十分にペイする取引だからとわかっている
日本でも同じような調査が行われ、大学教育は年利6%から9%の投資効果が期待できるとの結果が出ている
これは現在の低金利時代を考えれば圧倒的に有利な投資先
人は教育を受けなくても成功することはできる
マイケル・ジョーダンはバスケットボールで、ベッカムはサッカーで圧倒的な人的資本を持っている
経済的な成功は学歴のみで決まるわけではない
効率的な労働市場において教育・技能・知識などの人的資本を持たない個人が平均より高い報酬を得ることは今の日本では困難
経済学には人的資本の他にもう一つ重要な概念がある
関係資本という概念
良い関係資本を持つ人は、より多くの収益機会を獲得できる、関係資本はビジネス上の人的ネットワークであり、富を生む源泉
ビジネスであれ、恋愛であれ、良い人間関係は信頼によって育まれる
他人の信頼を得るには約束を守らること
市場経済においては一般的に信頼は失うものの、多寡によって計測される
社会的に成功し、大きな資産を築き、ビジネスパートナーに恵まれた人は他人を騙すことで得る、幾ばくかの金よりも失うものがはるかに大きいから自己の評判を維持するために積極的に約束を守ろうとする
その一方で失うもののない人物は簡単に約束を反故にする
他人を裏切って手にする富の方が魅力的と感じてしまう
社会正義や清貧を語る人物が、わずかの金で手のひらを返したように人格を変容させるというのは珍しいことではない
20代ならともかく40歳を過ぎても金も地位も家族もなければ社会的な信用を得るのは難しい
人的資本の蓄積は経済的な成功をもたらし、成功者はお互いを信頼し合うことで関係資本を築きより多くの収益機会を手に入れていく、信頼を失ったものは誰からも相手にされず、人的資本も関係資本もやせ細り、ますます貧乏になっていく
これが私たちの社会の身も蓋もない現実なん
このような理屈があるからこそお金持ちの方が人を信頼し貧乏人の方が人を疑う傾向がある
先ほど出てきた関係資本という概念は現在ではよく評判資本とか評価資本と言われたりする
「これからは、お金よりも他人からの評価の方が大事だよね」と「他人からの評価がなければこれからは仕事だって獲得することができないし金稼ぐこともできないよね」と、このことはあらゆる本で言われている昨今
お金持ちはやっぱりこの評判資本といったものがどれだけ重要なものなのかを身にしみて知っている
目先のお金よりも評判資本の方が重要だということを心の底から理解している
わざわざ約束を破ったり人を騙したりして自分の評判を落としたりするようなことはしない
お金持ちには余裕があります
わざわざ人を騙して利益を得ようとする必要がない
貧乏な人はお金がないから余裕もないのでお人を疑ったり、人を騙したりする確率が高くなる
さらにこれまで評判資本を積み上げてこなかったから別に人を騙して悪い評判が流れたところで失うものが何もないということ
まだまだ「得する生活 お金持ちになる人の考え方」では書かれてることはありますが、
実際手に取ってお金について考えてみてください
お金に向き合いたい人、お金を受け取らない人、お金に振り回されている人にオススメ
コメント