世界一シビアな「社長力」養成講座

どうも管理人の963Kumaです
今回のテーマは、「世界一シビアな「社長力」養成講座」」です

2011年11月24日 著者 ダン・S・ケネディさん

あなたには冷酷さが足りているか?
社長の威厳に満ちているか?

 

世界一シビアな「社長力」養成講座」はそんなスタンスの本

 

一言、世界一シビアな「社長力」養成講座」は容赦が無い
だから帯のように

温情もないかわりにブレもないついでに学問的な理屈もないあるのは、現場最前線からの筋金入りの戦略
ダン・S・ケネディ氏の著作は、どれもこのような感じ特に世界一シビアな「社長力」養成講座」は彼の思想の全てをぶちまけたような本で、良くも悪くも密度の濃さを感じさせる超原理主義。超合理主義。それもこれも利益のためまずは倫理にがんじがらめにならないこと

 

著者のダンSケネディさんのメッセージはクレバーで正論

正論過ぎて、ついていける人がいるかどうかと思わせることも

「社長力」養成講座は意訳
原題はRuthless Management of People & Profitsつまり人と利益にまつわる非情なマネジメント(経営)全体を通して、社長への難しい数字・経営の話なのではなく、ほぼ人に関するシンプルな話

社長とは何か?社長であるためにはどうするのか?
そして、働かせる・稼がせるにはどうするのか?
もしあなたが怒りっぽくてユーモアを解さないタイプなら、この本は読まないほうがいいかもしれない。(p4)
運営していくのに必要な兵法書の趣です。文字オンリー。
そして論理そのものは実に単純明快で、綺麗事は一切無し
問題の解決は大衆に迎合する代わりに真実を告げることから始めなければならない。(p48)
不都合な真実を交えながら私たちを鍛えてくれる
誰もがいつかは役に立たなくなる。あなたも例外ではない。役に立たなくなった者は、放逐されなければならない。それがたとえ自分自身だったとしても。(p63)

基本路線は性悪説
人は悪い奴だ!従業員は敵だ!盗み、サボり当たり前!経営者は孤独が当たり前で、従業員を信じてはいけない!読み進めると、これらが横たわっているのに気付かされる洋書とはいえ、人間の根本はどこでも同じなせいかそれほど違和感も感じさない
賛否はあると思うが、著者のダンSケネディさんの言いたいことは、経営者は大半わかるのではないだろうか?良い顔ばかりも出来ない、ということも多々ある
良い顔をしてきたからこそ苦しまされた現実一方で理性を保ちながら読まないと、身も心も本書の思想に染まる
筋金の入った性悪説が続いていく
雇い主と従業員の関係が本質的に「敵対的」なものであることを認めたがる人はまずいない
雇い主と従業員の関係が本質的に「敵対的」なものであることを認めたがる人はまずいないしかし、それは事実だ。なぜなら、あなたにとっての最重要事項と彼らのそれとはそもそも相反しているからだ。(p27)
個人的には敵対からは何も生まれない

だからと言って、おめでたい考えや夢のような考えも時には戒めないとならない

この根底には、
「会社の利益を守るため」という社長にとっての思惑があります。それは巡り巡って従業員の給料や顧客のため

だからこそこのようにして性悪説を貫かなければならない現実ページを進める度に、現実を深く考え見つめ続ける覚悟と共に、常にバランス感覚を試されていく
淡々と続いていく、
社長に必要な47の項目。
その内訳は?

* 雇用
* 人材管理
* 職場作り
* リーダーシップ
* 利益
* 組織力
社長業にとってはどれも欠かせないもので、必ず悩まされるもの
基本的にはダンSケネディさんはの執筆ですが、ごくわずかながら異なる人物の協力が見られる

どの執筆者も、経営の原理を重んじ、人を惑わす感情が無くドライで
そうして従業員も正していく

「善意の独裁者」
顧客や株主に対しての話、加えてマーケティングやクチコミ、そして企業のビジョン一企業としてぶつかる問題にダンSケネディさんは斬り込んでいく
最後まで淡々とシビアに続くのは変わないビジネスオーナーたるあなたは、来る日も来る日も自らをリスクにさらしている。あなたの行動を批判する人間はリスクをまったく冒していない。(p283)
ダンSケネディさんのシビアさの陰で、ある種の器を感じてしまうのは私だけではないはずですダンSケネディさんの著作の中に頻繁に出てくるトランプ氏の企業家時代のエピソードが興味深い
巷では、あまり評価は高くないもっとも著者本人も言っていますが、賛否両論は想定内だそう
従業員を信じるな!経営者にとっては悩みの種でしかないっ!だからこのようにシビアに徹せよ。そのための養成講座世界一シビアな「社長力」養成講座」はほとんどが人のマネジメントにまつわる仕事術の内容経営者として合理的に利益を追求することに徹するものの、小難しい数字や経営論なんぞ出ては来ません
ダン・S・ケネディ氏は数字が大キライらしい

壊れ窓理論性悪説を生み出す元凶お間違えのないように。 この本は従業員を責めるための教本ではない。(p236)

人を正すことから動かすことへシフト
従業員はどうすれば動いてくれるのか?前半では不正を戒めるのに使われることが多かったダン氏の創造性が、やがて組織のあり方や組織力の強化に活かされていく社長であるあなたと従業員という、これまでの一対一の構図から変化が見られる
特別賞与は普通に仕事をすればもらえるものだと思っている人が多い。さらに悪いことに、「会社の業績がよかったらその利益をみんなで共有するべきだ」と思っている人もいるようだ。私はこの前提に断固反対だ。(中略)利益に結びつかない行動を正し、利益につながる行動を促し、従業員の教育と自己開発を奨励し、困難に立ち向かうために、特別賞与を利用しよう。(p186)
合理的でシビアなのは相変わらずそして嬉しいことに実用性のあるアイデアも豊富ただ、これらの動かし方の中で忘れてはいけないものが一つある

モチベーションそのために出てくるのが、従業員を客観的に評価していくための数値化という作業
それによって従業員のモチベーションを上げることここまでの展開から考えると、何だか意外な気がそれもそのはず、実はこの部分だけはダン氏の執筆ではないビル・グレイザーさんが執筆

ビル・グレイザーさんが 8ページほどの分量で、数値化の重要性とコツを展開
これだけではやや物足りない気がしないでもない
世界一シビアな「社長力」養成講座は人を正すだけでなく動かすための方法も、逆に社長が誰よりも学んでいくものだと戒められる
それもこれも利益のため

利益に近付く仕事術と思考回路
あなたがどうしていくべきかに加え、組織がどう進んでいくべきか?
さらにはどう考えていくべきか?利益を生むためには?中盤はスローガンにも使えそうなシンプルな思考が続くいつの間にか前半における、社長のあなたと従業員の敵対関係も弱まる
アイデアと行動、そして行動と完了の間の時間を短くすることは、利益を上げるのに欠かせない要素だ。(p254)
アイデアには消費期限があるので、組織といえどもスピードを重視。かなり強調される確かに、運営する立場になると行動力とスピードの重要性は思い知らされる
常にアンテナを張り巡らして、嗅覚を鍛えていくというのも大切なトレーニング

やはりそれも利益のためには変わりない
好むと好まざるとにかかわらず、会社にとっての最優先事項は雇用を「保証する」ことではない。(中略)つまるところ、利益が出なければ会社は存続できないのだし、会社がなくなれば雇用だってなくなるのを、みんな分かっていないのだ。(p261)

終盤に差し掛かると、起業家精神や仕事の大義、そして従業員の将来を考える著者のダンSケネディさん世界一シビアな「社長力」養成講座にも円熟味を感じ、身も引き締まっていく人もいるかもしれない

共著者の1人、クリス・ハーン氏の言葉
47個あるこの養成講座も、37辺りを過ぎると少しだけ血の通った内容に
あなたのビジョンを気に入らない者もいるだろう。だが、つまるところ、給料を払っているのは、「あなた」なのだ。自分の会社なのだから、あなたは善意の独裁者になるべきだ。いたって簡単な話である。(p263)

善意の独裁者
この表現は如何ですか?考えてみると、本書の内容はこの一言に集約されている
言いえて妙で、個人的には座布団をあげたくなりますし、大切にしたい切り札の言葉
表には出ない愛情を探していく

何故そこまでになれるのか?

全ては利益のため

著者のダンSケネディはさらにこう表現する

会社の利益は平和や人間に勝る

そして巡り巡って皆のため

そんな著者のダンSケネディさんの真の思惑を感じ取りながら、終わりに向けて、さらに円熟味を感じさせる話は如何か?

起業する人材を育てていく

シビアながらも器のある企業を教えられていくようです。

そんなことを言うと、すぐに辞めていく社員が増えるだけだと言われそうだが、事実はまったく逆である。社員はこの言葉に勇気を得て私の会社にとどまり働き続けるだけではなく、ここで学んでよりよい、より革新的は仕事をするようになる。(p265)

辞めていく人が多い企業は良くない
そんな話をちらほら聞かれる

むしろ神話になっているとさえ思わせます。
ですが、ここは見る角度を変えて考えてみる

羽ばたいていく人が多い企業は良い企業という表現も出来る

 

ダンSケネディさんの言うように、育てて誇りを持たせれば、逆に企業価値は上がっていく
その循環は確実に存在する

良い社長の探求と共に、そんな社長が生む良い企業とは何かをも独特な視点で教えらる

冷徹さも性悪説も行き着く場所には、愛情をどことなく感じる

おめでたいことで片付けるつもりはないにせよ、そう信じる心の強さを求められる

顧客との血の通った関係作り

良い企業の探求がここで登場する

短期的・長期的問わず、やはりあくまで利益の追求をシビアに眺めていくスケールの大きさが世界一シビアな「社長力」養成講座」にある

長期的に見た時の代表例は

どんな脅威にさらされても安全で年々価値を上げられる唯一の資産は、「顧客とあなたの関係」だ。単なる顧客リストのことではない。顧客との間に築く信頼関係である。ビジネスオーナーのほとんどは、この資産を実に粗雑に管理している。(p292)

ダンSケネディさんは他の書籍でも、顧客へのフォローアップを強く勧めたり強制したりしていますが、その重要性はマーケターとして十分に理解している
商売は、顧客がいてこそ成り立つと 全体を通して、テクニックよりも持つべきマインドへクローズアップしている

きわめて賢いマーケティングときわめて意志の強いマネジメントが必要だ。ビジネスオーナーやサービス提供者や専門職の自営業者が、単に暮らし向きのよいレベルから本当に裕福なレベルにまで達するのに必要なものがそれである。(p295)
起業家または社長の揺るぎないバックボーン
ここでさらに厳しい質問をしよう。あなたは今後12カ月で何を「成し遂げる」つもりだろうか?
愚かな人々はプレッシャーから逃れようとする。成功した人は、わざと自分にプレッシャーをかけて行動する。非常に成功している人は、自分に非常に大きなプレッシャーをかけて行動する ー それを生きがいにしている。(p315)

情け容赦を無くすのは、自信と覚悟が心底無ければ出来ない
胆力が必要

決してカッコの良いものでもないし、時にみじめで泥臭い。

だから、心の強さが必要となります。生半可では危険

冷徹、そして容赦無くして振る舞うことで、失うものも多い
嫌われることも恨みを買うことも

皆が皆、深読みして経営者の思惑を理解してくれる保証はどこにもない

そんな前提を気にしていたら経営はできない

経営者はそれが半ば宿命として、含まれている生き物

覚悟を持ちたい人にオススメ

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