どうも管理人の963Kumaです
今回のテーマは、「ブランディングの科学 誰も知らないマーケテイングの法則11」です
2018年7月30日 発行 著者バイロン・シャープさん 訳 前平謙二さん
かのP&Gに影響を与えたマーケティングの名著が遂に発売。コトラーなどのマーケティング主流派に異論を唱え、新しい視点からマーケティングやブランドの育成方法を提案する。コトラーを超える最新マーケティングの神髄。
(Google Books引用)
『ブランディング科学』では、すべてのマーケターが知っておくべき消費者の購買行動やビジネスの成長を予測するための一定のパターンを伝えることを目的としている
マーケティング理論は時代や消費者とともに変化する
常に発展の余地を残す
現代の消費者行動をデータに基づくファクトによって法則化すると以下の11個が存在する
新しいマーケティングの11の法則
1. ダブルジョパディの法則
2. リテンションダブルジョパディの法則
3. パレートの法則(60/20)
4. 購買行動適正化の法則
5. 自然独占の法則
6. 顧客基盤が類似する
7. ブランドに対する態度と思いが行動的ロイヤルティに反映される
8. ブランド使用体験が消費者の態度に影響を与える
9. プロトタイプの法則
10. 購買重複の法則
11. NBDディリク
現代を生きるマーケターの方々は必読
『ブランディングの科学』を読んだ人とそうでない人とでは、今後のマーケティング施策の成功率は大幅に変わってくる
STP理論でブランドの立ち位置を決め、その限定したターゲットのロイヤルティを極限まで高めるCRM戦略を効率の良いマーケティング施策でROIを高めることが主流
STP = セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニング
CRM = カスタマーリレーションシップマネジメント
ROI = リターン・オン・インベスティング
著者のバイロン・シャープによれば、上述のような従来マーケティング理論は全くエビデンスに基づいておらず間違っているそう
彼はコトラーの理論も痛烈に批判しており、「優れた製品を作り、高価格帯で販売し、コアターゲットにリーチし、広告で製品の優位性を想起させることがマーケティングの成功である」という考えは全く事実に基づいていないと述べている
『ブランディング科学』では、すべてのマーケターが知っておくべき消費者の購買行動やビジネスの成長を予測するための一定のパターンを伝えることを目的としている
シェアが小さければロイヤルティは保てない
従来のマーケティング理論では、シェアとロイヤルティは無関係だと考えられてきました。
従って、シェアの小さい小規模ブランドでもロイヤルティの高い顧客が保てると考えられていたはずです。
しかし本書によれば、シェアが小さければロイヤルティは保てないそう
売上高を構成する要素は以下2つに分けられます。
ブランドの購買客の数
ブランドの購買客の購入頻度
理論的には、以下の2種類のブランドが存在することになる
購買客数は多いが、購買頻度が低いブランド
購買客数は半分でも、購買頻度が2倍のブランド
現実にはそのような状況になることはない
マーケットシェアによって購買頻度がほぼ決まってしまうから
マーケットシェアの低いブランドは顧客のロイヤルティ(高い購買頻度)を保つことはできず、売り上げを最大化するためにはまずマーケットシェアを取りに行かなければならない
ブランドの成長には新規顧客の獲得が必須
皆ブランドにとってもっとも大切な顧客は誰か?
ロイヤルユーザー?
ヘビーユーザー?
購買頻度の高いユーザーがブランドにとってもっとも大切であると考えている方が多いのでは?
実際に、これまでのマーケティングの教科書的な教えではそのように考えられてきた
顧客の維持が重要視されており、ロイヤリティ構築やインフルエンサー・ターゲティング、CRMなどが進められてきた
ブランドにとってもっとも大切なことは新規顧客の獲得である
なぜなら実際の消費者たちは、特にブランドにこだわってはいないから
そのため大半のユーザーは特にブランドにこだわりのないライトユーザーであり、ロイヤリティプログラム等を実施しても獲得できるマーケットシェアはごくわずかに獲得、もしくは全く獲得できない
実際にターゲットをライトユーザーやノンユーザーに絞っているブランドの成功確率が高いこともデータからわかっているようで、新規顧客の獲得に全力を尽くす方がブランドにとっては大きなメリットになる
差別化ではなく、独自性が大切
マーケティングの教科書は、差別化がマーケティング戦略の中心であるべきだと声高に語ってるが、差別化の重要性を示すエビデンスを提示できている理論はほとんどない
消費者がブランドの差別化を認識していることなどほとんどなく、差別化が購買行動を駆り立てるなどといったことはまずない
つまり「差別化か、それとも死か」といった状況では全くを持ってない
差別化の重要性が相対的に下がってきた際に重要になってくるのが独自性
独自性とは、その製品がどのようなブランドであるのかを示す要素のことで、色やロゴ、キャッチフレーズ広告手法など様々な要素が存在する
コカコーラといえば赤色、ナイキの “Just do it”などはブランドの独自性
こうした独自性があることによって、消費者のブランドの認知・認識・想起を容易にしてくれて、選択肢の多すぎるこの世界において有力な候補となってくれる確率が高くなる
マーケターであれば、教科書の内容を鵜呑みにして「差別化」を求めるのではなく、独自性を創り出すブランディングに精を出してくべき
ターゲティングや差別化といったエビデンスに基づいていない理論を鵜呑みにするのはもうやめ11の法則を理解して、ファクトに基づく正しいマーケティングをしていくことで、多くの人に愛されるブランドを創ることができるかと思う
マーケティングに関わる方やブランディングに関わる方、新たなマーケティング理論に興味がある方におすすめ
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